英国文学の中に頻繁に登場する“ティータイム”のシーン。ルイス・キャロルの『ふしぎの国のアリス』やP.L.トラヴァースの『風にのってきたメアリー・ポピンズ』などには、本の中から思わず香りが漂ってくるような
素敵なティータイムの風景
が描かれています。英国人自ら「素晴らしい英国の習慣」と讃えるアフタヌーンティーは、その優雅なスタイルから、
都会での上質な暮らしを愉しむ人のための〜おもてなしのひと時〜に最適。
今回の特集は、読んでいるだけでティータイムがしたくなる、そんな特集をご用意しました。
英国がオランダ経由で紅茶の輸入を始めたのは、1600年代の後半頃と言われています。当時英国のチャールズ2世と結婚したポルトガル王女のキャサリンが、紅茶に砂糖を入れて飲んでいたことから、瞬く間にそのスタイルが流行したそう。ビクトリア朝時代に入ると、貴族など限られた上流階級の婦人たちの集いが頻繁に行われ、そこでたまたま軽食を添えて紅茶を出したのが「アフタヌーンティー」の始まりといわれています。つまり、
紅茶の文化とは、社交の場から始まった文化
とも言い換えることができ、日本の茶道同様「おもてなしの文化」として一般大衆の間へと広められてきたようです。ちなみに日本で一般的に紅茶が販売され始めたのは1906年(明治39年)のことです。
アフタヌーンティーの道具として、まず揃えておきたいのはティーポットとティーカップ&ソーサー。ただし“優雅”に“品よく”本格的に愉しみたいときには、ストレーナー(茶漉し)ほか、ミルクを入れるクリーマー、ティースプーン、シュガーポットそしてティーコージ(ティーポットの保温用カバー)など一式揃えておくと雰囲気もバッチリ。紅茶の茶葉の量は「人数分+1杯」を目安に。お湯は冷まさずに熱いうちに淹れること。そして
紅茶を美味しく淹れる最大のコツは『茶葉の蒸らし時間』
にあります。時間的には3〜5分程度が目安となりますが、茶葉の等級によって微妙に異なるため、茶葉を購入する際にショップの方に予め確認することをお勧めします。
お友達をご招待してのティーパーティーでは、いくつか気をつけておきたいことがあります。まず、
紅茶は「心を込めて美味しく淹れる」ことが大切。
ケースバイケースでティーバッグを使ってもOKですが、ミルクティー、アイスティーなど
ゲストの好みを最優先
しましょう。ミルクティーといえば、イギリスでも話題になった「ミルクは先か、後か」という問題ですが、どちらが正解という方法はなく“お好みで”と解釈してください。また、ミルクを事前に温めておくと、紅茶が冷めるのを防ぐと同時にミルクの甘みも出て美味しいとの説もあります。紅茶に添えるスコーンやサンドイッチなどのサイドフードは“すこし多目に”、“サイズはひと口大に”などが本場では主流のようです。テーブルにお花を飾る場合も、
紅茶の香りを損ねるようなお花は選ばない
ことが重要。紅茶とは“香り”を味わうもので、その
香りに心が包まれた時にこそ、会話も自然に広がっていきます。
皆さんもぜひ一度、英国式アフタヌーンティーをお試しください。きっと日常に彩りを添えてくれることでしょう。
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